憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
「来た…静華…」
例のように意識を持っていかれ、あたしはガクッと頭を落とした。暗闇の中に体が沈んでいく感覚がする。
「七海(さん)!!」
由梨と英美の不安な声が聞こえてくる。視界が薄れ、二人の声がどんどん遠ざかっていく。
「大丈夫。あたしを信じて…」
現実と夢のボーダーが曖昧になっていく中、あたしは辛うじて声を出した。
……いよいよ最後の憑霊ゲームが始まるんだ。
そう思い、あたしはとっさに薬指につけていた恭也とのペアリングを握った。
「待っててね。恭也…」
その直後、あたしの意識は完全に闇の中に沈んでいった。