憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
「ちょっと英美!」
由梨は英美の脇に軽く肘をいれた。
すると英美もしまった!という表情を浮かべる。
「ははっ、まぁ今は“元”だけどね…」
あたしは無理に笑ってそう言った。
「す、すいません七海さん!! そういうつもりじゃなくて!! ……ただ、その」
英美は慌ててあたしに謝った。
「いいよ。モデルのことなんて今は気にしてないしさ。それよりお腹空かない? みんなで夕飯作ろうよ!」
そう言い、あたしは席を立った。気にしてないっていうのは、とっさについた嘘だ。
「は、はいっす!」
英美と由梨も席を立って台所に向かった。