憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
「ハージメヨ。ハージメヨ……」
それは昨日聞いた憑霊の声だった。
「な、なに? この声…?」
あたし達は困惑し、あたりを見渡す。
すると突然、体の力が抜け、あたしはガクッと頭を落とした。
……さっきまでなんともなかったのに。
なぜか意識が眠りに落ちる時のようにどんどん遠ざかっていく。
「七海、七海!?」
異変に気づいた由梨があたしを揺さぶる。
だけど視界に映る二人の顔はかすんでいき、意識が深い闇の中に沈んでいった。
また憑霊ゲームが始まるんだ。
直感的にそう感じた。