憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
「私モ、恭也ノコトヲ、好キニナッタノ。ダカラ……」
憑霊はあたしの指輪を指差した。
「アンタト、オソロイノ指輪……羨マシクテ。許セナクナッテ。……ツイ、指ゴト切ッチャッタノ」
「っ……!!!!」
何よ、それ……?
「……ふざけないで!!」
カッと怒りがわいた。
そんな馬鹿げた理由であたしの体を使って恭也を傷つけたなんて…!!
「恭也はどこにるの!! 今すぐ、恭也を返してよ!!」
あたしは自分でもびっくりするぐらいの声で叫んだ。
「フフッ、イイヨ。返シテアゲル。ダケド……」
辺りの空気が氷のように一気に冷たくなった。ナイフを首にあてられたような緊張を感じる。
「モシ、アンタガ残リノ三日間。ゲームニ勝ツコトガデキタラネ……」
憑霊はそう言って、石像のように動きを止めた。
「ジューウ、キュー……」
前回のように10秒数え始める。
「約束だからね。……絶対にゲームに勝って恭也の居場所を教えてもらうから…!」
そう言い残して、あたしは鳥居の中を走っていった。
負けられない……!!
あたしだけのためじゃなくて、
恭也を取り戻すためにも、絶対に!!