憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
驚きのあまり大きな声が出てしまった。慌ててあたしは口を押さえる。
さっきまで、人がいたはずなのに…!?
あたしが障子を開けた瞬間、部屋の中は真っ暗に変わったのだ。
しかもそこにいたのは、井戸場会議をする楽しげな女達じゃない……腹を切られ、内臓が飛び出した状態で倒れる女達の死体の山だった。
「嘘でしょ、なんでこんな……」
死体の中にはあたしくらいの年の子や5歳くらいの女の子までいる。……吐き気がするほど残酷な光景だ。
わけがわからず、呆然とその場に立ちすくんでいると、廊下の向こうから不気味な音が聞こえてきた。
ペタ……ペタペタペタペタペタ。
誰かが廊下を這って歩くような音だ。
目を凝らすと、廊下のはしから血のついた細い手がにゅっと突き出てきた。