憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
その言葉にあたしは目を見開いた。まさかと思う気持ちが、最悪な形で確信へと変わる。
……これって、前にあたしが聞いた憑霊ゲームの内容と一緒だ!!
信じられないけど、あたし今、本当に憑霊ゲームの夢を見ているんだ!!
言い様のない恐怖を感じながら、あたしは目の前にいる首と手足のない女子生徒を見つめた。
……じゃあこいつが、あの“憑霊”なの…?
たしか噂だと、憑霊はあたしの体を……
「ジューウ、キュー、ハーチィ……」
憑霊は石像のように固まったまま十秒数え始めた。
とにかく、今は憑霊が数え終わる前に、できるだけ遠くに逃げないと…!
震える体をなんとか動かし、あたしは廊下をまっすぐ走っていった。
「はぁ、はぁ!!」
全力で廊下を走りながら、あたしは憑霊ゲームの噂を聞いた日のことを思い出した。
あれはあたしがモデル事務所を辞めた日。彼氏の恭也と二人でデートしていたときのことだ。