憑き夜の悪夢 ~奪い合うナナミの体~
「うぁっ…!!」
そこは壁中が真っ赤に塗られた神社の本殿だった。
中には大きな金色の祭壇があって神様を祀ってある。
いかにも何かありそうな雰囲気だ。
「よし、調べてみよう!」
あたしは部屋の中の探索を始めた。
祭壇を中心に、10分くらいかけて部屋の隅々まで探す。
……だけど、どんなに探しても憑霊の右腕を見つけることはできなかった。
絶対、何かあるって思ったのに……
「もう! ここもはずれだったの…!?」
緊張と体の疲労で思わず祭壇に寄りかかり、ガクッと頭を抱えた。
ここまで来てないってことは、そもそも屋敷の中には右腕は隠してないってこと?
それとも、屋敷のどこかで見落としていたとか?
どちらにしても一から探し直しだ。
また憑霊から逃げながら、この広いエリアを探さないと……
「はぁ、もう無理……」