だから僕は、笑顔でサヨナラを叫ぼう
0:5月23日。なんでもない一日。
放課後。
僕は中庭で、もうすっかり暖かくなった春風を浴びながら、青空で流れてる雲をぼーっと眺めていた。
このところ、放課後はいつもそうだ。
あまり早く帰りすぎると、おじいちゃんもおばあちゃんも心配するから。
「最近の子は、放課後に友達と遊んだりするもんなんだろう? 優羽は大丈夫かい?」
大丈夫、の意味がよく分からないけれど、僕はいつも平気だよ、と笑って答えることにしていた。
嘘は言っていない。実際、体の調子が悪いわけじゃないから。
ちょっと、友達が少なくて、教室では息苦しいだけで。