だから僕は、笑顔でサヨナラを叫ぼう



グラウンドに着く頃には、もう日が落ち始め、青空も薄く赤みがかっていた。

「お疲れ秀一」
「おう、お疲れ。また明日な」
「いやー今日の練習もキツかったな!」
「お前、今日ほとんど何もしてないだろ」

体も大きくがっしりした男子達が、和気あいあいと帰路についていく。

目線を自分の腕に向けると、ひょろくて白くて、いかにも非力そうで。
……ちょっとへこんだ。


「あ、ほら、いたよ。シュウー!」

そんな僕はそっちのけで、きずなは翔を見つけたみたいだった。

翔の方も僕達のことに気付いたようで、軽く笑って近付いくる。


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