だから僕は、笑顔でサヨナラを叫ぼう



「よっ。お二人さん。デートの帰りか?」

「どこをどー見たらそー見えんのよ。ユーはちゃーんと女の子してんじゃん」

「いや、そっちじゃなくて、きぃが男に見えた」

「目ん玉くり抜くぞ!」

「おお、こわいこわい」


そうおどけて見せる翔に、掴みかかるきずな。


「ぷっ、あははっ!」


二人の楽しそうな姿を見ているだけで、僕も何だか楽しくなって、気付けば笑っていた。


< 9 / 34 >

この作品をシェア

pagetop