死神の恋

彼を交えたファミレスでの勉強会は、土曜日だけでなく日曜日も行われた。二日とも午後六時までみっちりと勉強したため、応用問題もなんとか解けるようになったし、数学に対する苦手意識も少し薄れた。あとは明日のテストに向けて自信がつくまで復習するだけだ。

彼と別れたファミレスからの帰り道。いつになく勉強にヤル気をみなぎらせていると、真美がポツリとつぶやいた。

「アイツ、未来が死ぬとか言わなかったね」

「……うん」

真美の言う通り、最近の彼は死に関することを一切口にしなくなった。

「やっぱりあれはデタラメだったんだね。ホッとした」

笑顔を見せる真美には「そうだね」と答えたけれど、私は彼の言うことがデタラメだとは思っていない。だって彼は佐伯のおばあちゃんが亡くなったことも、そのときの様子もズバリと言いあてたのだから……。

とにかく今は明日から始まる定期考査に集中、集中。

頬をなでる冷たい風に首をすくめると、家に向かって足を進めた。

< 103 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop