死神の恋
ストレッチにランニング、そして腹筋に腕立て伏せ。あれだけ嫌いだった基礎練習が苦に感じなくなったのは、今を楽しむと決めたからかもしれない。
取りあえず『次』を考えることはやめた。今は全力でダンスに取り組むのみ。
少しだけ成長した自分を誇らしく思いながら、練習に励んだ。
マフラーと手袋が欠かせなくなった十二月上旬。白い息を吐き出しながら、真美と一緒に学校に向かう。
さつき台駅前広場にはクリスマスツリーが飾られて、夜になると街路樹のイルミネーションがキラキラとまぶしい光を放つ。
そんなクリスマスムードが高まる中、気になるのはイブの予定だ。
ダンス部では十二月二十四日の練習後に、クリスマスパーティーを開催するのが恒例となっている。強制参加ではないけれど、彼氏がいない私は二十四日のクリスマスパーティーを今から楽しみにしている。
「ねえ、未来。今年もクリスマスパーティー、参加するでしょ?」
「うん。真美も参加だよね?」
「もちろん!」
ダンス部のクリスマスパーティーを楽しみにしているのは私だけじゃないことがうれしくて、真美と顔を見合わせるとクスクスと笑った。