死神の恋

緑色のカーテンの隙間から差し込む日差しがまぶしくて、不意に目が覚めた。

まぶたを開けた先に見えたのは、規則正しい寝息を立てている幸希の寝顔。一瞬、えっ?と思ったものの、幸希と一夜を過ごしたことをすぐに思い出した。

まだ鈍く痛む下腹部と、幸希がプレゼントしてくれたハートのネックレスしか身に着けていない自分の姿が恥ずかしい。

隣で寝ている幸希を起さないようにベッドからそっと抜け出すと、床に散らばったままの制服に着替えた。

今の時刻は午前八時。午後一時から始まるダンスの練習までまだ十分余裕がある。

幸希と一緒に朝ご飯を食べたら、一度家に帰ろう。

そう思い立った私は、早速キッチンに向かった。

ワンルームマンションの狭いキッチンにある小さな冷蔵庫を開ける。自炊はしないと言っていた幸希の冷蔵庫は、見事に空っぽだった。

私も料理が得意なわけじゃないし朝食はコンビニで調達しようと決めると、お財布とスマホを手に取り外に出た。

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