死神の恋
久しぶりの練習はきつかったけれど、やはりダンスは楽しいと思える一日となった。
疲れた体を引きずりベッドに入る。明日はきっと筋肉痛だろうな、と考えながらまぶたを閉じた。しかし体はクタクタなのに、目が冴えて眠れない。その理由に心あたりがあった私は、枕もとに置いていたスマホに手を伸ばした。
今日は結局、昼休憩のときも、家に帰るときも、真美に避けられてしまった。
私たちは幼なじみで親友。だからケンカをしても、私が謝ればすぐに仲直りできるものだと思っていた。でも現実は違っていた。
真美は私と口を利きたくないほど、怒っている……。
今の時刻は午後十時三十分。この時間なら真美はまだ起きているはずだ。
メールアプリを起動させると、トーク画面をタップする。打ち込んだのは“ごめんね”の四文字。でもその言葉をすぐに削除した。
やっぱり、きちんと向き合って謝りたい。けれど私を避ける真美に、どうやって謝ればいいのかわからない。
大きなため息をつくと、スマホの電源を落として枕もとに置いた。
明日は月曜日。朝練習があるから六時起きだ。
真美のことはまた明日考えることに決めると、まぶたをギュッと閉じた。