死神の恋

学校の最寄り駅である旭ケ丘駅に続く坂道を、真美と肩を並べて進む。

「偉そうに意見しないでって言われたことよりも、未来が練習を四日もサボったことの方がショックだった。未来のダンスに対する情熱ってそんなものだったんだなって失望したんだよね」

真美が私と口を利かなかった理由を語るのを、隣で黙って聞いた。

私は真美を傷つけ、そして失望させた。

「……ごめんね」

私が真美に言えるのは、この言葉だけ。改めて謝ると、真美が慌てて首を左右に振った。

「あ、未来を責めているわけじゃないからね」

「うん。わかってる」

私がコクッとうなずくのを見た真美は、そのまま話を続けた。

「で、そのうち仲直りするタイミングがわからなくなっちゃって……。未来、意地張ってごめんね」

「ううん。私こそすぐに謝らなくてごめんね」

意地を張っていたのは私も同じ。

自ら真美に歩み寄ろうとしなかったのだから……。

「ねえ、キリがないから、謝るのはもうおしまいにしない?」

「そうだね」

真美と顔を見合わせてクスクスと笑っていると、旭ケ丘駅に到着する。気心が知れた真美と話すのはやはり楽しいと思いながら、旭ケ丘駅の自動改札機を通った。

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