秘密の恋は突然に!!
高校3年生

幼なじみ

「行ってきまーす!」


「結愛!お弁当忘れてるよ!」


玄関のドアを少し開けたところで、リビングの方からママの声が聞こえた。


「いっけない!忘れてた。」


お気に入りの履き慣れたローファーを、急いで脱ごうと慌てていると、コツンと頭に何かを乗せられた。


「べ ん と う!忘れてんぞ。」


顔を上げると、お弁当は顔の前に移動し、両手を出すと、ポトッと置かれた。


「和真、ありがとう。」


弟の和真にお礼を言うと、
「あぁ。」と素っ気ない返事を返された。


「姉ちゃん、自分で作っておきながら忘れるとか、バカなんじゃない。」


和真は鞄を置くと玄関に座り、新しいローファーに足を通していた。


「ちょっと、バカとはなによ!お姉ちゃんに向かって!」


弟にバカにされたことが悔しくて、お弁当を片手に腕組みをしながら、頬を膨らませた。

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