上司にプロポーズされて困ってます
課長にここまで一途に想われて、今さら嫌とは言えない。
嫌ならとっくに断ることが出来たはずだ。
つまり、答えは決まっている。
「はい。お受けします」
「ありがとう」
課長の見たこともない笑顔に、私の目は釘付けになった。
仕事が出来て、真面目でちょっと堅物だと思っていたけれど、こんなにも一途で、ちょっと強引で、見惚れるような笑顔を見せてくれるなんて、どれだけドキドキさせられるのだろうか。
しかも、獰猛な獣はあっという間に獲物を捕らえて離さない。
課長の顔が近づいてくると思った時には、既に私の唇は食べられてしまっていた。
最初は触れるだけの優しいキスだったのが、徐々に獣は本性を現してきた。