上司にプロポーズされて困ってます
捕獲
腰砕けになるとは思ってもみなかった。
あんな激しいキス、経験したことがない。
ちょっと……、いや、かなりこの先が不安だ。
私、大丈夫だろうか……。
息も絶え絶えな私は、課長の腕の中で呼吸を整えようと必死。
課長に支えてもらっていないと立っていられない。
もうすぐ仕事が始まるのだから、しっかりしなくちゃと思ってみても、身体がいうことを聞いてくれない。
しかも、課長に頭を撫でられて、うっとりしてしまう。
「そろそろ戻らないとな。あぁ、離れがたいな」
「そ、そうですね……」
ちゃんと戻れるかな。
いやいや、仕事なのだから、甘えは許されない。
そんなことを考えていた矢先、会議室のドアがガチャっと開けられた。