上司にプロポーズされて困ってます


私の神頼みはあっけなく打ち砕かれてしまった。

神様のバカー!!っと心の中で叫ぶ。

「ど、どうしましょう!!」

いくら後ろ姿とはいえ、営業第一課の人たちなら、私だとバレているに違いない。

もしかしたら今頃、営業部のフロアではとんでもないことになっているのではないだろうか。

さっきまで熱かった身体がひんやりしてくる。

血の気が引くとは、まさに今の私の状態のことを言うのだろう。

「どうせ公にするつもりだったから、手間が省けて良かった」

「えっ!?」

「結婚するんだから、会社にも報告しないといけないだろう?今頃あの二人が広めてくれてるはずだ」

「えー!!」

「まずは柴本さんのご両親に挨拶に伺わないとな。出来れば直近で都合のいい日を訊いてみてくれないか?」

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