きっと夢で終わらない
持っていたハンカチをスクールバッグの中に突っ込み、自分のリネンのハンカチを取り出す。
それで醜い顔を隠しながら、空を見上げた。
憎いくらいに真っ青が視界いっぱいに広がって、太陽はあざ笑うように照りつける。

本当なら、今頃はあの青い空の彼方にいるはずだったのに、まだこうして灰色がかった世界に私は立っている。
もう一度プラットホームに戻って線路に飛び込んでもいいのだが、生憎泣きすぎで身体は疲れて、戻ろうという気力は起きなかった。
重力に負けて肩から地面に落ちたスクールバッグの中には、一応授業で使うもの一式が入って入る。

さっきまでは、あんなに死にたがっていたのに、それを考えることすら今は疲れていた。
引き止められて、私の意気込みや思いなんかだけが線路に落ちていってしまったみたい。
このまま学校を休んでしまおうか。
でもそうすると、無断欠席扱いで、お父さんの方に連絡がいってしまう。

それだけは絶対に避けたい。

すると残る選択肢は1つしかなかった。
この相当に酷い顔をハンカチで覆えるのも外にいる間だけだ。
どこかコンビニにでも寄って顔を洗おう。学校に着くまでに目の赤みが引くなんて期待はしないけれど、冷えたペットボトルでも当てればいくらかマシになるだろう。

私は気を取り直して、登校することに決めた。

普段通りに家を出たので、多少寄り道しても十分登校時間には間に合う。
辛うじて転がっていた生気をバッグごと拾い上げて、学校とは反対方向にあるコンビニへと向かった。

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