きっと夢で終わらない
美紀が芹澤くんが好きなことは知っていた。
ある時、美紀が「杏那に相談したい」といつものグループチャットではなく、個人的にメールが送られて来て、その話を聞いたのだ。
「周りにはまだ言えてなくて、杏那なら茶化さないで聞いてくれそうだから」
そんなことも言われた。
私は嬉しくて、誰か一人には特別扱いしないと決めていたのに、自分がその相手を知っていたのもあって、それなりに協力していた。
だから、告白も断った。
なのに、どうだ。
美紀はその日も何事もなかったように、二人っきりになると「芹澤がカッコいい!」と惚けてきていた。
当然教えてくれると思っていた告白までの経緯はおろか、事実すら聞かされていなかった。
夏休みが終わって二週間以上が経っていたのに。
封印していた感情が解き放たれ、やっぱり私はそれまでの人間なのだと言われた気がして、途端にどうでもよくなってしまった。
どんなに周りから親しいと思われていても、本人が「杏那に相談したい」のだと言ってきても、やっぱり肝心なところまでは教えてもらえない。
分かっていたつもりだったのに、自分の馬鹿さに笑いが出た。
学習しない自分に腹が立った。
ある時、美紀が「杏那に相談したい」といつものグループチャットではなく、個人的にメールが送られて来て、その話を聞いたのだ。
「周りにはまだ言えてなくて、杏那なら茶化さないで聞いてくれそうだから」
そんなことも言われた。
私は嬉しくて、誰か一人には特別扱いしないと決めていたのに、自分がその相手を知っていたのもあって、それなりに協力していた。
だから、告白も断った。
なのに、どうだ。
美紀はその日も何事もなかったように、二人っきりになると「芹澤がカッコいい!」と惚けてきていた。
当然教えてくれると思っていた告白までの経緯はおろか、事実すら聞かされていなかった。
夏休みが終わって二週間以上が経っていたのに。
封印していた感情が解き放たれ、やっぱり私はそれまでの人間なのだと言われた気がして、途端にどうでもよくなってしまった。
どんなに周りから親しいと思われていても、本人が「杏那に相談したい」のだと言ってきても、やっぱり肝心なところまでは教えてもらえない。
分かっていたつもりだったのに、自分の馬鹿さに笑いが出た。
学習しない自分に腹が立った。