きっと夢で終わらない
私はきいちゃんに引っ張られるまま反対側の一年生の場所に紛れ込んでいたが、みんな競技の方に興味津々で私が居ようが構う様子がない。ホッと胸をなでおろし、きいちゃんと一緒に先生の顔ぶれを確認していると、
「あ、葛西先生いた!」
きいちゃんが私の心を代弁する。
「葛西先生ここいらで一位とかとっちゃったりしてくれませんかね」と興奮気味のきいちゃんをよそに、私の心臓は早鐘を打っていた。
目が合った、気がする。
私がすぐに逸らしたから確証はないけれど。
一瞬だけ視線が絡んだような。
いや、多分気のせいだ。
あんなに見てても気づかなかったから、錯覚が起きたのかも。
周りの子たちは、自分のところの先生だからか「葛西先生頑張ってー!」と声援を送っている。その声援に紛れるように私は身を小さくした。
生徒たちの好奇心、期待、興味が集中する場内。
先生方がスタートラインに立ったのを確認して、体育レク委員長が壇上に上がった。
「それでは、今年も恒例の先生対抗借り物競走を始めます!位置について——用意——」
「あ、葛西先生いた!」
きいちゃんが私の心を代弁する。
「葛西先生ここいらで一位とかとっちゃったりしてくれませんかね」と興奮気味のきいちゃんをよそに、私の心臓は早鐘を打っていた。
目が合った、気がする。
私がすぐに逸らしたから確証はないけれど。
一瞬だけ視線が絡んだような。
いや、多分気のせいだ。
あんなに見てても気づかなかったから、錯覚が起きたのかも。
周りの子たちは、自分のところの先生だからか「葛西先生頑張ってー!」と声援を送っている。その声援に紛れるように私は身を小さくした。
生徒たちの好奇心、期待、興味が集中する場内。
先生方がスタートラインに立ったのを確認して、体育レク委員長が壇上に上がった。
「それでは、今年も恒例の先生対抗借り物競走を始めます!位置について——用意——」