きっと夢で終わらない
時間(トキ)の交差点
今日の朝も、起きたらお父さんの姿はなかった。
水切りには一人分のボウルとスプーンが建てられていて、冷蔵庫の牛乳は少し減っていた。
お父さんと会話をしなくなって、もう2週間。

食事も就寝も各自勝手に。
薄暗いリビングに起きていくと、胸が潰されそうに苦しくなる。
その度に、今日こそは線路に飛び込んでやると毎朝思っていたけれど、今日は不思議とその気が起きなかった。

棚からシリアルの袋を取り出して、食器に牛乳と一緒に注ぐ。
パジャマのまま、電気もつけずにダイニングテーブルにつき、ふやける前に口に運ぶ。

バリバリと、咀嚼音がだけが部屋に響いて、私の存在が示される。
今日も、生きている。
そんな風に打ちのめされていた。

でも。
今日も、生きてみる。
そう思うと、少しだけ違った。

ダメならそれでいい。
でも、何かがあるかもしれない。
諦めなければ、何かは起こるかもしれない。

しょっぱいシリアルを食べなくて済んだのは、ここ最近で初めてのことだった。
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