きっと夢で終わらない
「中学三年生の時、仲良くさせてもらってました」

「そっか、三つ離れてるから。今までも連絡取ったりしてた?」

「いえ、卒業してからは一切。だから、先生が思うような関係じゃないです」

「なあんだ、残念」


甘酸っぱいの期待したのに、と花純先生は口を尖らせて、


「実は、ちょっと噂になってた時期あるわよ、あなたたち。先生たちの間で」


と言うので、私は首を傾げた。
実際そんなに親しくしていたわけではない。
校内ではほとんど会うことがなかったし、私たちが会うのは朝のあの十分だけだった。

あ、もしかしてあれか?
ちょっと接点のなさそうな二人が話してるからって疑うやつ。

いい迷惑だ。
男女で仲良く歩いていても、兄弟だってこともあるだろうに。


「……興味あるんですね」


皮肉を込めてそういっても、花純先生は全く気にしていない様子だった。


「そりゃあ、自分の子どもの恋愛事情に首突っ込む親と同じ感覚よ。編入生だったし、クラスに馴染めてなくて、心なしか暗い表情してた葛西くんが、ある時からちょっとずつ明るくなって」


ぽんっと疑問が浮かんだ。
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