きっと夢で終わらない
「人との距離感がつかめない。どこまで踏み込んでいいのかわからない。近づきすぎたら壊れてしまうのをよく知ってるから、人と接するのが怖い。人を好きになるのが、怖い。人を信じることができない。こんな私は、いらない人間だ」


自意識過剰だと言われるかもしれない。
人は自分が思っているよりも相手のことなど気にしていないのだから、気にするなと言われるかもしれない。

それでも、気になってしょうがなかった。
いつも、相手は自分のことをどう思っているだろうと、考えてしょうがなかった。
今は一緒に笑っていても、明日には愛想を尽かされるのではないかと、毎日怯えていた。
友達が離れていかないような自分を作るのに必死で、自分の本当にありたい自分が分からなくなってしまった。

出会いなんて生きていればいくつもあって、ある関係はひとつの通過点にすぎないと言われても、認めきれなかった。
神様でも万人に好かれるのは難しいことなのに、怖かったのだ。
離れてしまう瞬間が怖くて、繕っていたら、全部壊れてしまった。

人と関わるのが怖い。
いつ離れていかれるのかと思うと、怖い。


だから、他人を信じられない自分は、いらない。
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