ベストフレンド~本当の友達~
放課後になった。

「行こ、桑野さん」

私は浜岡さんに付いて行く。

途中で会田さんと合流し、次は1年の教室に行く。

ちょうど、小村さんが教室から出てくるところだった。

4人になり、一緒に廊下を歩く。

前から岩井先生が歩いてくるのが見えた。

岩井先生は私達を見ると。

「お前らもう友達になったのか。浜岡の強引さもたまには役立つなあ」

がははと岩井先生は笑う。

「何ですか~、たまにはって」

浜岡さんはすかさず反論する。

友達。

その2文字が、私にはひどく薄っぺらく感じた。

友達なんて関係は、所詮ちょっと仲のいい他人でしかない。

その関係は簡単に壊れてしまうものだ。

みんな、上辺だけで付き合っていて、裏では悪口を言い合っているんだ。

まあ、私は家族からも嫌われているけど。

浜岡さんと会話しながら笑っている岩井先生は、そんな私の思いなどきっと知らない。

岩井先生も平和な世界で生きてきたんだろう。
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