ベストフレンド~本当の友達~
日が傾いてきた頃、私はようやく帰ることにした。

家に帰っても、温かく迎えてくれる人はいない。

それでも、帰らないといけない。

私は重い足取りで家へと向かった。



家に着いた。

飼い犬がいるけれど、他には何もない。

プランターを買って花でも植えれば、綺麗になると思うのに。

ドアを開けて、中に入る。

叔母さんが玄関まで来る。

「遅かったじゃない。今日はバイトじゃないでしょ?」

早速、不機嫌な声が飛んできた。

叔母さんは眉を吊り上げていた。

「はい」

「じゃあ、さっさと帰って来なさい。やることはいろいろあるでしょ?」

「はい」

私は自分の部屋に、カバンを置きに行く。

私の部屋は2階にある。

ドアを開けて、部屋に入る。

ベッドと机、それと椅子に本棚。

それだけ。

お弁当と一緒だ。

何の面白味もない。

友達をこの部屋に呼ぶことも未来永劫ないだろう。

「桜ー! 早く夕飯作りなさい!」

叔母さんの怒声が飛んできた。

私は着替えてから急いで夕飯を作りに、1階に降りる。

キッチンに入る。

「今日はあんたが遅いから、特別に材料買ってあげたわ。さっさと作りなさい」

「はい」

叔母さんはそれだけ言うと、リビングにテレビを見に行ってしまった。

まるで、私は召使いか奴隷だ。

冷蔵庫を開けると、ひき肉があった。

他の材料もあるし、ハンバーグでも作ろう。

ハンバーグなら、私でもできる。
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