ベストフレンド~本当の友達~
散歩コースは決まっている。

住宅街を抜け、河川敷沿いをしばらく歩いて帰ってくるコースだ。

その途中だった。

前から走ってくる人がいた。

まさか……。

こんな時間まで。

「桑野さん!」

浜岡さんだった。

「探したよ!」

浜岡さんは膝に手をついて、ハアハアと荒い息をする。

ずっと走っていたのだろうか。

だとしたら、すごい体力だ。

「家、この辺だって言ってたから」

「……何で?」

何で私を探していたのだろう。

「え?」

もしかして、急に帰った私に怒っているのだろうか。

だとしたら、明日からいじめられるかもしれない。
< 17 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop