ベストフレンド~本当の友達~
放課後になった。

「桜ー。一緒に帰ろう」

友里に誘われ、一緒に帰ることになった。

校舎を出て、校門をくぐる。

「そういえば、部活って何曜日にあるの?」

気になったので、聞いてみた。

「火水木の週3日間だよ」

「そっか」

どんなことをするんだろう。

会田さんは遊びみたいなものだと言っていたけれど、正直不安もある。

運動部に入るのは初めてだし、くたくたに疲れるまで練習とかするのだろうか。

「練習時間って、どのくらい?」

「うーんとね、その日の気分。やりたいときは長くやる」

それを聞いて、あまり気負う必要もないのかもしれないと思った。

「そういえば、桜、ラケット持ってないよね?」

「うん、買った方がいいの?」

「部室にあるから、それを使ってもいいけど。せっかくだし、買おうよ。今日、一緒に買いに行く?」

「うん、選び方とかわからないから、お願い」

「あと、靴も買わないといけないんだ。今、財布に幾らくらい入ってる?」

私は財布を取り出して、中身を確認する。

「4000円くらい」

「う~ん、それだと足りないかも。余裕を持って、あと1万円くらい欲しいな」

バイトしてるとはいえ、結構な痛手だ。

まあ、普段本くらいにしかお金を使わないので、貯金を下ろせばいいか。

「じゃあ、下ろしてくるね」

「うん。でもキャッシュカードとか持ってないよね? じゃあ、一旦帰ろう。4時に駅前集合ね」

「わかった」

私と友里はいったん別れ、私は家に帰った。




家に入り、そのまま2階へ行く。

着替えてから、必要な物を持って再び家を出ようとした時、叔母さんに呼び止められた。

「桜、どこ行くの? 買い物?」

「友達と買い物です」

「友達? できたの?」

叔母さんは怪訝な表情をしている。

「はい、できました」

私はしっかりと、叔母さんの目を見て言った。

「そ、そう。ついでに、夕飯の買い物もしてきなさいよ」

「はい」

私は家を出た。

銀行に寄り、貯金を下ろしてから駅前へ行く。



駅前に着いたが、まだ友里はいない。

早すぎたかもしれない。

ふと、考える。

友里はどうして、ここまで私にしてくれるのだろう。

何か、特別な思いがあるのだろうか。

「ごめん、待った?」

友里が到着し、私に声を掛けた。

「ううん。大丈夫。行こう」

「うん」

私たちは出発した。



道の途中。

「図書委員になったんだ」

友里に報告する。

「そうなんだ。男子は憲一君だっけ?」

「うん、そうだよ」

「じゃあ、安心だね」

友里は憲一君のことを信用しているんだなあ、と思った。

私も信頼できる幼馴染が欲しいな。

そうすれば、いじめられることも……。

いや、やめておこう。
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