ベストフレンド~本当の友達~
「はい、確かに」
一宮先生に印を押してもらい提出した。
あとは岩井先生の印を押してもらって、提出するだけだ。
「あの、友里のことなんですけど」
私は気になっていることを聞くことにした。
「浜岡のこと? どうしたの?」
「友里の昔のことを教えてくれませんか?」
友里はあまり、自分のことを話さない。
だけど、友里には謎が多い。
公園で泣きながら寝ていたこと、テニスがとても上手なこと、そしてさっき、人が変わったようになったこと。
私は知らないといけないのかもしれない。
ダメもとで聞いてみた
「それは、本人に聞くしかないんじゃない? 個人情報もあるし、話せないよ」
「はい……」
やはり、聞けなかった。
「失礼しました」
私は職員室を出た。
テニスコートに戻ると、小村さんと会田さんが残っていて、友里はいなかった。
「友里は?」
「帰ったよ」
会田さんが答えた。
部室の施錠は友里が行う。
部室はすでに閉められていて、私の荷物は外に出してあった。
友里は職員室に鍵を返しに来るはずなのに、すれ違わなかった。
私を避けたのだろうか。
「それじゃあ、帰りましょう」
小村さんの一言で、私たちは3人で帰ることにした。
帰り道で会話はなく友里の存在の大きさを思い知らされた。
寝る前、友里にアプリでメッセージを送ろうか考えたけど、文面が思いつかない。
何を送っても、良くない刺激になってしまう気がした。
なので、何も送らずに眠りに落ちた。
久しぶりに、いじめの夢を見た。
きっと、テニスコートでの一件のせいだ。
怖いよ。
誰か、助けて。
叫びたいのに、声が出ない。
もう、こんな夢は見ないと思ったのに。
起きると、やはり汗でパジャマが濡れていた。
気分が悪いけど、学校に行かないといけない。
私は着替えて弁当を作り、家を出た。
教室に着くと、既に友里はいた。
「おはよー! 桜」
友里はいつも通り人の輪の中にいて、私に挨拶をした。
「おはよう、友里」
私は挨拶を返して、席に着いた。
いつも通りの日常があった。
昼休み。
図書委員の仕事は月曜日と水曜日なので、今日もやらないといけない。
図書室に着くと、既に野部君はいた。
カウンターの中に入って、椅子に座る。
「昨日はありがとう、桑野さん」
「え?」
急に話しかけられ、さらにお礼を言われて少し戸惑う。
「あの時、桑野さんが止めてくれなかったら、色々と困ったことになっていたと思う。飯田も友里も、テニス部同士の関係とかも」
確かに、あのまま誰も止めなかったら、一時的ではないいじめにつながっていたかもしれない。
それに、確実に飯田君から恨まれることになっただろう。
「いじめは、よくないよ」
私はそれだけ言った。
「うん、そうだね。ありがとう、2人を守ってくれて」
「いや、そんな、大げさな」
「大げさじゃないよ。桑野さんのおかげだよ」
少し照れる。
そうだ、いい機会だしあのことを聞こう。
「ねえ、野部君は友里と幼馴染なんだよね?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ、友里の昔のこと、教えて」
すると、野部君は険しい表情になった。
「それを、聞いてどうするの?」
「どうするって……」
私は聞いてどうしたいのだろう。
今更、そんな疑問が湧いてきた。
わからない。
だけど、友里のことはもっと知りたいと思うし、何か悩んでいるなら助けたいと思う。
「とにかく、友里のためになりたい」
「だったら、本人に聞くべきじゃないかな?」
「う、うん」
それはそうだけど、友里が話してくれるとは思えない。
なんとなく、友里は明るさの裏で何か抱えている気がするのだ。
きっと、聞いてもはぐらかされてしまう。
「友里なら、きっと話してくれるよ。今は無理かもしれないけど、いつか」
「うん……」
そろそろ、チャイムが鳴る。
「桑野さん、そろそろ教室に戻ろう」
「うん」
私たちは教室に戻った。
一宮先生に印を押してもらい提出した。
あとは岩井先生の印を押してもらって、提出するだけだ。
「あの、友里のことなんですけど」
私は気になっていることを聞くことにした。
「浜岡のこと? どうしたの?」
「友里の昔のことを教えてくれませんか?」
友里はあまり、自分のことを話さない。
だけど、友里には謎が多い。
公園で泣きながら寝ていたこと、テニスがとても上手なこと、そしてさっき、人が変わったようになったこと。
私は知らないといけないのかもしれない。
ダメもとで聞いてみた
「それは、本人に聞くしかないんじゃない? 個人情報もあるし、話せないよ」
「はい……」
やはり、聞けなかった。
「失礼しました」
私は職員室を出た。
テニスコートに戻ると、小村さんと会田さんが残っていて、友里はいなかった。
「友里は?」
「帰ったよ」
会田さんが答えた。
部室の施錠は友里が行う。
部室はすでに閉められていて、私の荷物は外に出してあった。
友里は職員室に鍵を返しに来るはずなのに、すれ違わなかった。
私を避けたのだろうか。
「それじゃあ、帰りましょう」
小村さんの一言で、私たちは3人で帰ることにした。
帰り道で会話はなく友里の存在の大きさを思い知らされた。
寝る前、友里にアプリでメッセージを送ろうか考えたけど、文面が思いつかない。
何を送っても、良くない刺激になってしまう気がした。
なので、何も送らずに眠りに落ちた。
久しぶりに、いじめの夢を見た。
きっと、テニスコートでの一件のせいだ。
怖いよ。
誰か、助けて。
叫びたいのに、声が出ない。
もう、こんな夢は見ないと思ったのに。
起きると、やはり汗でパジャマが濡れていた。
気分が悪いけど、学校に行かないといけない。
私は着替えて弁当を作り、家を出た。
教室に着くと、既に友里はいた。
「おはよー! 桜」
友里はいつも通り人の輪の中にいて、私に挨拶をした。
「おはよう、友里」
私は挨拶を返して、席に着いた。
いつも通りの日常があった。
昼休み。
図書委員の仕事は月曜日と水曜日なので、今日もやらないといけない。
図書室に着くと、既に野部君はいた。
カウンターの中に入って、椅子に座る。
「昨日はありがとう、桑野さん」
「え?」
急に話しかけられ、さらにお礼を言われて少し戸惑う。
「あの時、桑野さんが止めてくれなかったら、色々と困ったことになっていたと思う。飯田も友里も、テニス部同士の関係とかも」
確かに、あのまま誰も止めなかったら、一時的ではないいじめにつながっていたかもしれない。
それに、確実に飯田君から恨まれることになっただろう。
「いじめは、よくないよ」
私はそれだけ言った。
「うん、そうだね。ありがとう、2人を守ってくれて」
「いや、そんな、大げさな」
「大げさじゃないよ。桑野さんのおかげだよ」
少し照れる。
そうだ、いい機会だしあのことを聞こう。
「ねえ、野部君は友里と幼馴染なんだよね?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ、友里の昔のこと、教えて」
すると、野部君は険しい表情になった。
「それを、聞いてどうするの?」
「どうするって……」
私は聞いてどうしたいのだろう。
今更、そんな疑問が湧いてきた。
わからない。
だけど、友里のことはもっと知りたいと思うし、何か悩んでいるなら助けたいと思う。
「とにかく、友里のためになりたい」
「だったら、本人に聞くべきじゃないかな?」
「う、うん」
それはそうだけど、友里が話してくれるとは思えない。
なんとなく、友里は明るさの裏で何か抱えている気がするのだ。
きっと、聞いてもはぐらかされてしまう。
「友里なら、きっと話してくれるよ。今は無理かもしれないけど、いつか」
「うん……」
そろそろ、チャイムが鳴る。
「桑野さん、そろそろ教室に戻ろう」
「うん」
私たちは教室に戻った。