ベストフレンド~本当の友達~
国際通りに着いた。

私たちは料金を支払った後、運転手さんにお礼を言って降りる。

「お腹空いたー」

友里が降りるなり言った。

「浜岡さんは感情をすぐに言葉にするから、面白いね」

神崎君が笑いをこらえながら言った。

「うん、動物っぽい」

坂上君が続く。

「えー、何それー。ちょっとひどいよー」

友里が口をへの字にする。

「まあまあ、褒めてるんだよ」

私がフォローする。

「そうかなあ」

友里は納得していないようだ。

「はいはい、さっさとお昼にしよう」

美羽が友里をなだめる。

私たちの班はお昼に何を食べるかは、現地に行ってから決めることになっている。

私たちは国際通りを歩き始める。

お土産屋や飲食店が並んでおり、地元の人から観光客まで様々な人に愛されているのだろう。

「じゃあ、一人ずつ何食べたいか案を挙げてこうよ。私はソーキそば」

友里が提案した。

「私もソーキそばがいいな」

私が続いた。

「私も」

「俺も」

「俺も」

「って、全員ソーキそばかい! 仲良しか!」

友里が思わずツッコむ。

「まあ、いいじゃん。満場一致ってことで」

美羽が笑いながら言った。

私たちはソーキそばのお店に入る。

店内はこじんまりとしていて、アットホームな感じだ。

ファミレスやチェーン店のような綺麗さはないけど、この雰囲気は好きだ。

壁には有名人のサインが並んでいる。

早速席に着き、注文する。

水はセルフサービスのようだ。

男子2人が全員分取りに行ってくれた。

「ありがとう」

私たちはお礼を言った。

しばらくして、ソーキそばが運ばれてきた。

「いただきます」

私たちは食べ始める。

麺は少し硬く、食べ応えがある。

スープはあっさりめだ。

そして、お肉がとても柔らかい。

「美味しいね」

友里の言葉に自然とうなずくほど、旨味が凝縮されている。

私たちは話すのも忘れ、ほぼ無言で食べた。

大満足でお金を支払った。

店を出ると、岩井先生に出くわした。

「よう、ソーキそば食ってたのか? その店どうだった?」

「安いし美味しいですし、とっても良かったですよ」

友里が代表して答える。

全員同じ意見だ。

「お、そうか。昼がまだなんだ。俺もこの店にするかな」

岩井先生は店に入って行った。

「さて、ここでお土産見てく?」

美羽がみんなに聞く。

「そうだね。ちょっと見てこう」

私が賛成し、他のみんなもうなずいた。

私がお土産を買うのは両親、佳織、叔母さん……後、野部君にも買って行こう。

もちろん、友里や美羽には野部君に買っていくことは教えない。

「俺たちは部活の奴らにも買ってかないといけないんだよ」

お土産屋さんへ向かう途中、神崎君が教えてくれた。

「そういえば、男子テニス部って何人いるの?」

私が聞いた。

「45人くらいかな」

「多いね」

「ああ。だから、一箱に大量に入ってるお菓子とかがいいかな」

というわけで、国際通りにあるちんすこうのお店に行くことになった。
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