ベストフレンド~本当の友達~
翌朝。
「女子は3人とも、眠そうだね」
朝食の席で、神崎君に言われた。
私たちは日付が変わっても話し続けていたため、眠気が取れていない。
朝食の最中も、うつらうつらしながら食べた。
今日は美ら海水族館に行く予定だ。
今日で修学旅行は最終日。
水族館で最後だ。
私たちはバスに乗り込む。
バスが動き出し始めて数分、心地よい揺れで睡魔が襲ってきた。
私達は眠ってしまった。
「お前ら、夜更かししただろ?」
岩井先生の声で起きる。
バスはいつの間にか、停まっていた。
「あ、岩先生。おはようございます」
「岩井だっての。まったく、しょうがない奴らだな。ほら、行くぞ」
既に、他の生徒たちはバスを降りた後のようだ。
私たちはバスを降りる。
入り口ではジンベエザメのモニュメントが出迎えてくれる。
「桜、美羽。このクジラの前で写真撮ろうよ」
「クジラじゃなくて、ジンベエザメだよ」
美羽が呆れていた。
3人で写真を撮った。
水族館内に入り、しばらくすると海の生物に触れる展示がある。
先行していた生徒たちが、触っていた。
友里も早速触っている。
「ほら、桜も」
友里に誘われる。
「え、大丈夫なの?」
「触れるように展示されてるってことは、大丈夫に決まってるじゃん」
「でも、何か気持ち悪いし」
それに、動いているし、生きている。
「いいからいいから」
私はヒトデにおそるおそる触ってみる。
不思議な感触だった。
友里はいつの間にか、解説員さんに質問しに行っていた。
「ヒトデって食べられますか?」
友里のそんな質問に、思わず笑ってしまいそうだった。
他の展示も見て回る。
サンゴや熱帯魚など、沖縄の特色豊かな展示があった。
そして、何より目を引いたのは巨大な水槽を悠々と泳ぐマンタやジンベエザメだ。
ゆったりと泳ぐ姿は、雄大さを感じる。
「すごーい!」
友里は声を上げた。
「ねえ、写真撮ろうよ!」
友里の提案で、再び写真を撮る。
ちょうどジンベエザメが後ろに入るようにするために、場所とタイミングを計るのが難しかった。
その後、深海の生物の展示を見て、お土産コーナーに着いた。
お菓子や文房具、ぬいぐるみなど様々な物が売っている。
「友里、買いすぎだよ」
私は思わず言った。
友里は大量のお土産を買っていた。
「えー。だって、後はここと空港しか買える場所ないよ」
「まあ、そうだけど」
私の残金は1万円以上ある。
物欲があまりない方なので、お金もそんなに使わなかったのだ。
「桜は買わないの?」
「うーん……」
迷った挙句お菓子を2箱買い、宅配で叔母さんの家に送った。
美羽は亀のぬいぐるみを買っていた。
美ら海水族館を出て、バスに乗り込む。
後は空港に行き、帰るだけだ。
「はあ、これで終わりかー」
友里がため息とともにこぼした。
「ねえ、友里。いつかテニス部の4人で旅行に行こうよ。沖縄じゃなくても、他の場所でもいいよ。きっと楽しいよ」
私が言うと、友里は大きくうなずいた。
「うん! 行こう。絶対行こうね。なんなら、海外行っちゃう?」
「海外もいいね」
私たちは笑い合う。
修学旅行は終わるけど、私たちの高校生活は半分以上残っている。
そして、高校生活が終わっても、いつまでも本当の友達でいたい。
そう思った。
空港に着いた。
お土産を買える最後のチャンスだ。
私は後悔のないように、お土産を厳選した。
友里は所持金をぴったり0にしたらしく、みんなに驚かれていた。
飛行機に乗り込み、着席する。
沖縄とはこれでお別れだ。
長いようで短かった3日間。
また来たい。
自然とそう思えたし、楽しい3日間をくれた学校や先生、友人たちや沖縄の人たちに感謝の気持ちが湧いた。
飛行機が離陸する。
沖縄がどんどん遠くなる。
帰ったら、とりあえず太郎の散歩をしよう。
叔母さんは3日間、ちゃんと食べていたのだろうか。
手抜きしているかもしれない。
帰ったら、しっかり料理をしてあげよう。
飛行機が目的の空港に到着し、ホームに移動して新幹線で帰る。
みんな疲れたのか、眠っている生徒が多かった。
私も疲れたので、目を閉じる。
3日間の思い出が、脳内を巡る。
一生の思い出になっただろうか。
新幹線は隣町の駅に着いた。
これで解散となった。
私たちは切符売り場へと行く。
「あー!」
友里が突然大きな声を上げた
「どうしたの?」
私が聞く。
「か、帰りの電車賃が……」
そういえば、友里はお土産を買って残金をちょうど0にしたんだっけ。
「まさか、電車賃のこと忘れてたの?」
美羽が聞く。
「うん……。ねえ、桜」
友里は縋るような視線を向けてくる。
「いいよ、貸してあげる」
私は財布から、友里の分の電車賃を取り出す。
「やったー! ありがとう」
「桜は甘いわね~。歩いて帰らせればいいのよ」
「そ、そんな。ひどい……」
「大丈夫だよ、友里。ちゃんと貸してあげるから」
私たちは切符を買い、電車を待つ。
しばらくして、ホームに電車が入ってくる。
私たちは電車に乗り込む。
空いていたので、座ることができた。
「いい? みんな。眠っちゃだめだからね。乗り過ごしたら面倒だからね」
美羽が注意した。
乗車時間は5分くらい。
眠らないと思うけど、一応気を付けておこう。
3分後。
いけない、眠りそうだ。
隣を見る。
友里は眠っていた。
美羽もうつらうつらしている。
「2人とも、寝ちゃだめだよ」
「あ、ごめん」
美羽が起きる。
友里は寝たままだ。
なんとか眠気をこらえ、駅に到着した。
帰り道。
美羽と別れ、友里と2人きりになる。
「また、来週から学校かー」
友里が言った。
「うん、期末テストもあるし、頑張らないとね」
「う、期末か。桜、またお願いね」
「はいはい」
「それじゃあ、この辺で。じゃあね」
「うん、じゃあね」
友里は去って行った。
「女子は3人とも、眠そうだね」
朝食の席で、神崎君に言われた。
私たちは日付が変わっても話し続けていたため、眠気が取れていない。
朝食の最中も、うつらうつらしながら食べた。
今日は美ら海水族館に行く予定だ。
今日で修学旅行は最終日。
水族館で最後だ。
私たちはバスに乗り込む。
バスが動き出し始めて数分、心地よい揺れで睡魔が襲ってきた。
私達は眠ってしまった。
「お前ら、夜更かししただろ?」
岩井先生の声で起きる。
バスはいつの間にか、停まっていた。
「あ、岩先生。おはようございます」
「岩井だっての。まったく、しょうがない奴らだな。ほら、行くぞ」
既に、他の生徒たちはバスを降りた後のようだ。
私たちはバスを降りる。
入り口ではジンベエザメのモニュメントが出迎えてくれる。
「桜、美羽。このクジラの前で写真撮ろうよ」
「クジラじゃなくて、ジンベエザメだよ」
美羽が呆れていた。
3人で写真を撮った。
水族館内に入り、しばらくすると海の生物に触れる展示がある。
先行していた生徒たちが、触っていた。
友里も早速触っている。
「ほら、桜も」
友里に誘われる。
「え、大丈夫なの?」
「触れるように展示されてるってことは、大丈夫に決まってるじゃん」
「でも、何か気持ち悪いし」
それに、動いているし、生きている。
「いいからいいから」
私はヒトデにおそるおそる触ってみる。
不思議な感触だった。
友里はいつの間にか、解説員さんに質問しに行っていた。
「ヒトデって食べられますか?」
友里のそんな質問に、思わず笑ってしまいそうだった。
他の展示も見て回る。
サンゴや熱帯魚など、沖縄の特色豊かな展示があった。
そして、何より目を引いたのは巨大な水槽を悠々と泳ぐマンタやジンベエザメだ。
ゆったりと泳ぐ姿は、雄大さを感じる。
「すごーい!」
友里は声を上げた。
「ねえ、写真撮ろうよ!」
友里の提案で、再び写真を撮る。
ちょうどジンベエザメが後ろに入るようにするために、場所とタイミングを計るのが難しかった。
その後、深海の生物の展示を見て、お土産コーナーに着いた。
お菓子や文房具、ぬいぐるみなど様々な物が売っている。
「友里、買いすぎだよ」
私は思わず言った。
友里は大量のお土産を買っていた。
「えー。だって、後はここと空港しか買える場所ないよ」
「まあ、そうだけど」
私の残金は1万円以上ある。
物欲があまりない方なので、お金もそんなに使わなかったのだ。
「桜は買わないの?」
「うーん……」
迷った挙句お菓子を2箱買い、宅配で叔母さんの家に送った。
美羽は亀のぬいぐるみを買っていた。
美ら海水族館を出て、バスに乗り込む。
後は空港に行き、帰るだけだ。
「はあ、これで終わりかー」
友里がため息とともにこぼした。
「ねえ、友里。いつかテニス部の4人で旅行に行こうよ。沖縄じゃなくても、他の場所でもいいよ。きっと楽しいよ」
私が言うと、友里は大きくうなずいた。
「うん! 行こう。絶対行こうね。なんなら、海外行っちゃう?」
「海外もいいね」
私たちは笑い合う。
修学旅行は終わるけど、私たちの高校生活は半分以上残っている。
そして、高校生活が終わっても、いつまでも本当の友達でいたい。
そう思った。
空港に着いた。
お土産を買える最後のチャンスだ。
私は後悔のないように、お土産を厳選した。
友里は所持金をぴったり0にしたらしく、みんなに驚かれていた。
飛行機に乗り込み、着席する。
沖縄とはこれでお別れだ。
長いようで短かった3日間。
また来たい。
自然とそう思えたし、楽しい3日間をくれた学校や先生、友人たちや沖縄の人たちに感謝の気持ちが湧いた。
飛行機が離陸する。
沖縄がどんどん遠くなる。
帰ったら、とりあえず太郎の散歩をしよう。
叔母さんは3日間、ちゃんと食べていたのだろうか。
手抜きしているかもしれない。
帰ったら、しっかり料理をしてあげよう。
飛行機が目的の空港に到着し、ホームに移動して新幹線で帰る。
みんな疲れたのか、眠っている生徒が多かった。
私も疲れたので、目を閉じる。
3日間の思い出が、脳内を巡る。
一生の思い出になっただろうか。
新幹線は隣町の駅に着いた。
これで解散となった。
私たちは切符売り場へと行く。
「あー!」
友里が突然大きな声を上げた
「どうしたの?」
私が聞く。
「か、帰りの電車賃が……」
そういえば、友里はお土産を買って残金をちょうど0にしたんだっけ。
「まさか、電車賃のこと忘れてたの?」
美羽が聞く。
「うん……。ねえ、桜」
友里は縋るような視線を向けてくる。
「いいよ、貸してあげる」
私は財布から、友里の分の電車賃を取り出す。
「やったー! ありがとう」
「桜は甘いわね~。歩いて帰らせればいいのよ」
「そ、そんな。ひどい……」
「大丈夫だよ、友里。ちゃんと貸してあげるから」
私たちは切符を買い、電車を待つ。
しばらくして、ホームに電車が入ってくる。
私たちは電車に乗り込む。
空いていたので、座ることができた。
「いい? みんな。眠っちゃだめだからね。乗り過ごしたら面倒だからね」
美羽が注意した。
乗車時間は5分くらい。
眠らないと思うけど、一応気を付けておこう。
3分後。
いけない、眠りそうだ。
隣を見る。
友里は眠っていた。
美羽もうつらうつらしている。
「2人とも、寝ちゃだめだよ」
「あ、ごめん」
美羽が起きる。
友里は寝たままだ。
なんとか眠気をこらえ、駅に到着した。
帰り道。
美羽と別れ、友里と2人きりになる。
「また、来週から学校かー」
友里が言った。
「うん、期末テストもあるし、頑張らないとね」
「う、期末か。桜、またお願いね」
「はいはい」
「それじゃあ、この辺で。じゃあね」
「うん、じゃあね」
友里は去って行った。