ベストフレンド~本当の友達~
「着いたー! 大阪だー」

友里が声を上げた。

視線が少し集まったので恥ずかしい。

ビルや建物に囲まれた感じは久しぶりだ。

さすがに、沖縄より都会だ。

これから、ホテルに荷物を置きに行く。

高いホテルに泊まるお金もないので、ビジネスホテルに泊まることになっている。




ホテルに到着し、部屋に荷物を置きに行く。

エレベーターに乗り、部屋の前まで行きドアを開ける。

「おお、修学旅行の部屋より狭い」

友里が感想を言った。

このホテルが狭いというより、修学旅行の時のホテルが広かったように思う。

沖縄のホテルの料金はさぞかし高かったことだろう。

学校と両親に感謝だ。

2人部屋を2つ借りて、友里と私、美羽と佳織で分かれた。

私たちは部屋に荷物を置き、すぐに部屋を出る。



これから観光に向かうのは、道頓堀だ。

道頓堀には飲食店が約70店以上あると、ネットに書いてあった。

食事には困ることはないだろう。

何を食べるかは、現地に行って決める。

ホテルを出て、少し歩く。

暑さが厳しいので、すぐに汗が出てきた。



道頓堀に着いた。

事前情報通り、お店が沢山あり賑わっている。

時刻は既に12時を回っており、お腹はペコペコだ。

「ねえ、串カツ食べようよ」

友里が言った。

「いいんじゃない、大阪っぽくて」

美羽が賛同し、私と佳織もうなずいた。

串カツのお店を見つけ、入る。

中は椅子が並んでおり、カウンター席のようだ。

揚げ物の香ばしい匂いがする。

ジュウジュウと揚がる音が響く。

匂いと音だけで、空腹感が刺激される。

私たちは席に着き、早速注文する。

私は玉ねぎとうずら卵と串カツを注文した。

少し待ち、揚げたてが運ばれてくる。

早速ソースをつけて食べる。

噛むたびにサクサクと音がして、とても熱い。

具材や衣が甘いソースと絡んで、味わい深い。

1本の量がそれほど多くないので、いくらでも食べられそうだ。

「美味しいね」

友里の言葉に、全員食べながらうなずいた。

その後も、追加注文して満足いくまで食べた。



串カツ屋を出る。

時刻は1時。

まだ、時間がある。

私たちはお土産屋さんを巡ることにした。

お土産屋に入ると、大阪のお土産らしくユニークなものが多い。

お笑い芸人のグッズなども売っている。

叔母さんはテレビをよく見るので、喜ぶかもしれない。

それから、しばらくお土産を見て回った。

途中で小腹が空いだので、カヌレの専門店に行き買って食べた。

明日のことを考え、体力をあまり使わないために、今日はもう帰ることにした。

ホテルに到着し、部屋に戻る。

「ふー食べた食べた」

友里がベッドに寝転びながら言った。

お土産も買ったし。十分観光できたと思う。

その時、スマホが鳴った。

野部君からアプリにメッセージが来ていた。

「勝ったよ。明日と明後日は応援よろしく」

というメッセージだった。

友里のスマホも鳴り、メッセージが来ていた。

内容は見えなかったけど、私と同じだろう。

「桜も憲一君と連絡先交換したんだ」

友里は知らなかったのか。

野部君と連絡先を交換したのが、ずいぶん昔のことに感じる。

「うん、そうだよ」

それ以上、友里は何も言ってこなかった。

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