長谷川君には屈しないっ!
と、戸惑っていると、教室のドアの外にた女子達から絶叫にも似た声が聞こえてきた。


「「「きゃーーーーーっ!!」」」


本日2回目の耳に堪えるその声が教室に響き渡ると、私はやっとの事で未だ私が長谷川君の上に乗ったままだと気づく。


「ご、ごめんなさっ…」


そう言って慌てて上体を起こそうとした私。


…だったが、







宙をさまよっていた私の腕が長谷川君によって捕まれ、一気に引き寄せられた。


次の瞬間、


私は今まで感じたことのないような温もりに包まれた。


長谷川君のもう片方の手が私の背中に回り、私は腕の中へ閉じ込められてしまった。


「なっ、なにして…っ///」


意味のわからない行動に、腕の中から抜け出そうと腕に力を入れるが、ビクともしない。


一方長谷川君はというと、不敵に笑みを浮かべている。


「地味子意外と大胆?」


囁くように意地悪っぽくそう言う長谷川君に、すぐにでもこの状況から抜け出したい私だが、体が思うように動かせない。


「ち、ちがうわ!これは足がもつれて…っ」


唯一動く口だけを頼りに、全力で反抗する。


…って、引っ張ったのはあなたじゃない!


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