長谷川君には屈しないっ!
私はというと、やっとの事で開きっぱなしだった目を数回瞬きをし、少しずつ状況を理解し始める。


な、な、な、な、な…っ


「なにするのよっ!///」


「お、勢いが戻った」


またしても目の前にいる人間は人をからかうようにそう言った。


「……っ///」


咄嗟に私は自分の制服の袖を引っ張り、唇に当てて少しでもさっきの余韻を消し去ろうとした。


…が、そんなことであのキスが払拭されることはなく、私は俯いて怒りに震えていた。


そして、まだぐちゃぐちゃの頭の状態で、精一杯捻り出したのが、


「こ、この変態っ!」


だった。


私はその言葉の勢いと共に、教室を飛び出した。


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