長谷川君には屈しないっ!
「顔真っ赤」
「うるさい!///」
まぁ、ちょうどいいか。
今、いいこと思いついたし。
そんなことを思うながら俺は地味子の制服のポッケからあるものを取り出す。
「ちょ…っ!何とっ「いーからいーから」」
あたふたしている地味子はさておき、俺は奪い取ったものを構え、
カシャッ
シャッターを切った。
もちろん、撮ったのは地味子が目を瞑っているという何とも面白い写真。
するとすぐさま、地味子は両目を開ける。
「何撮ってるんですか!///」
怒りなのか恥ずかしさなのか、地味子はさらに顔を紅潮させながら言った。
「写真。ほら」
そう言って撮った画面を見せると、
「そんなことは知ってます!消してください!」
スマホを取り返そうと必死に手を伸ばす。
…が、
俺とこいつとの間には20センチ以上の差があるため、地味子がいくら頑張ったところで届くはずもない。
それでも負けじとジャンプしながら取ろうとする地味子。
「いいでしょう。あなたがその気なら私も奥の手を使います」
メガネをスッと指で持ち上げながらそう言うと、地味子は息を整える。
なにか地味子の背景からただならぬオーラを感じた俺だったが次の瞬間、
「いざ!」
地味子が繰り出した手は、
「あはははっ、ちょっ、…あはははっ」
なんとくすぐり作戦だった。
脇腹らへんから猛烈に感じるくすぐったさに笑いをこらえることなんてできなかった。
てか、あんな真面目な顔してくすぐり作戦とか、面白すぎかよ。
「参りましたか?」
さすがの俺も、笑いすぎてお腹が痛くなってきたので降参することにした。
持ち上げていた携帯をおろすと、少し勝ち誇ったように笑っているこいつを見て少し…、ほんの少し胸が熱くなった。