長谷川君には屈しないっ!
「どーすっかな。楽に決めてーから、クジで実行委員決めんな」
クラスの人たちが、自分が、と張り切っていたところを先生がまるで最初からそのつもりだった様に、教卓のなかからクジを取り出した。
「当たれー!」
「うわー、当たったらどうしよ」
様々な声が上がったが、担任は既にクジの箱の中へ手を入れていた。
期待と不安の視線が先生を見つめる中、先生が一つの紙切れを引いた。
「出席番号24番。…長谷川光輝」
その名前が呼ばれた瞬間、クラスの雰囲気が一気に活気に満ちた。
「えー!光輝がやるんなら私もやりたーい」
「光輝君と一緒にやりたいっ」
実行委員は男女ひとりづつであるため、残りは女子ひとりとなった。
やはり、あの完璧王子と一緒にやれると言うことはそれだけ女子からしたらいい物件なのだろう。
運がいいのか悪いのかはわからないが、引き当てられた本人はと言うと、
「……」
未だ眠ったままであった。