長谷川君には屈しないっ!
「そういえば、昨日地味子HRいたっけ?」
そう言われて、数時間前の記憶を蘇らせてみる。
「いや」
「…やっぱり」
「やっぱりって?」
「上地さん、今日も他のクラスの子の分のシフトを代わりにやってて」
そういえば、今朝のクラス集合でもあいつ一瞬顔を出したと思えば、次に見たときにはいなかったな。
「引き止めてごめんね。もう一回探してみるよ。上地さんいたら休憩取るよう言っておいてくれる?」
「あぁ」
「おーけー」
そう返事をすると、役員生徒は足早にかけて行った。
俺たちも歩き出し、周辺の屋台を散策する。
「光輝ー、俺イカ焼き食べたい」
イカ焼きの屋台一直線に指差し、目を小学生のように輝かせてそう言う李央。
「まだ食うの?」
「おう!成長盛りだからな!」
と言いつつ無邪気な表情を浮かべている。
この休憩の時間だけでも焼きそばに綿あめ、とうもろこし、団子…
こいつの胃袋はどうなってんだ?