長谷川君には屈しないっ!
腕に力を入れて抱き上げ、倉庫から出る。
そのまま歩いて行き、中庭を通ろうとした時周りが一瞬ざわついた。
「え、あれ長谷川君じゃない?」
「抱えられてる子誰」
「ミスコンの優勝カップル?」
「待って、あれ地味子じゃん」
しかしそれを気にすることもなく、俺は地味子を抱えたまま保健室についた。
保健室の先生はいないらしく、保健室には誰もいなかった。
地味子を奥にベッドに寝かせ、近くのイスに座る。
このまま地味子を保健室に置いて戻ろうとも思ったが、この際サボりたいという欲が勝ち、保健室にいることにした。
「…長谷川君?」