長谷川君には屈しないっ!
支えを失い、不安定な状態になった地味子の体をとっさに支える。


「…っぶね」


俺にもたれかかるようにして深く眠っている地味子を少しの間見つめる。


…まさか、地味子の口からあんな言葉が出るとは。


半ば無意識の状態で言ってただろうし、おそらく本人は覚えてないんだろうな。


「…はぁ」


そうポツリとため息をつくと、地味子をベッドに寝かせ再び椅子に座る。


そのあと、しばらくの間地味子を見守っていたが、いつのまにか俺も眠りに落ちていた。
































side実子


目が覚めると、私は保健室にいた。


まだ少し体がだるくて、首だけ動かしてあたりを見る。


とは言っても、カーテンによってほぼ遮られていてこれといったものはない。


そして、首を右に向けると長谷川君が寝息を立てて座っていた。


どうして長谷川君が…?


状況が掴めず、どうしようか迷ったがもう少しの間は起こさないでいようと決めた。


なんとなく、長谷川君の顔を覗いてみる。
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