長谷川君には屈しないっ!
長谷川君に言われて思い出した。


私、委員会の仕事まだ終わってなかった。


急いでベッドから出て、仕事に戻ろうとしたその時。


「行かなくていい」


腕を長谷川君に腕を掴まれ、私の行動は阻止された。


「お前、少しは休め」


掴まれた手の強さに、それ以上何も言うことができなくなった。


再びベッドに腰を下ろすと、長谷川君が口を開いた。


「お前、自分がなんでここにいるかわかってんの」


すると、なんともドスの効いた声が聞こえてきた。


視線を向けると、もの凄い視線でこっちを見ていた。


目が怖い…!


「…わからない、です」


「無理するくらいなら、ちゃんと断れ」


「…はい」


「わかったか」


「…はい」


あまりの声色の怖さに、私は既に半泣き状態。


少しの間ふてくされながら俯いていると、長谷川君再び口を開いた。


「体調は」


体調?


「…?」


「もう平気か」


「あ、はい。今はだいぶ」


「そうか」


「なんか、いい夢を見た気がします。…思い出せないけど…」


そう何気なく言った言葉に長谷川君が反応した。


「覚えてないのか?」


「…?はい。夢なのですぐ忘れちゃいましたけど」


「少しも?」


「はい」


「……はぁ」


すると長谷川君は大きくため息をついた。


「お前の頭ってたまに抜けてるよな」


「…その言葉は聞き捨てならないわ。抜けてるですって?」
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