長谷川君には屈しないっ!

また遅くまで勉強してたのか。


あんな鬱陶しいものよくやるよな。


などと思いながら、そのプリントを引っこ抜き、地味子が握っていたクマのチャームが付いているシャーペンを奪う。


見た目はあんなお堅い感じなのにシャーペンは可愛げがあるのな。


そういえば、実行委員になってかわかったことがある。


こいつは見た目こそ“the地味子”という感じだが、少なからず多少なりとは女らしいところもあるようだ。


「ふっ。…これは、貸し決定だな」


そんな不敵な笑みを浮かべ、俺は続きの内容を書き入れていった。



***


心地よいシャーペンがはしる音が聞こえ、虚ろながら目がさめる。


「ん…、」


少しして、頭が回るようになってくると、プリントが書き終わっていないことに気づく。


やばい…!


顔面を蒼白にした私は慌てて続きを書こうとすると、2度目の驚いたことが起こった。


握っていたはずのシャーペンと紙が消えていた。


え…っ!?


「探してるのはこれだろ?」

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