私が小説家になれたなら
第一章 つまらない学校生活
嘲笑う、いや嘲笑われる。
素敵な素敵な声が聞こえる。私はロッカーに閉じ込められたまま呟くことがある。

人間は憎い

恨む。

「復讐してやる…」なんて思ってしまうが私はどんなに憎い人間達が居たとしてもその中には心の優しい人達が居るのを待つ。

ガタンッとロッカーが開く音がする。

「」
「」
「うわぁぁぁぁぁー!!??」

叫ばれた。下校時間過ぎているのに人がいるとは思ってもいなかった。
私はロッカーから出てにんまりと笑う
頬の傷が微笑むと痛い。
でも、笑っていれば誰かいつか逃げる。
猫被りの私はいつもそう思っていたのだ。

「あんたキズ!痛いだろ?無理して笑うな」
「…痛くないよ。」
「いや痛いだろ」
「痛くない」
「痛いだろ」
「うん、痛い」
「それでいい」

何故「うん、痛い」なんて言ってしまった。
この男は私を填めたいのか?
彼奴らの仲間じゃないのか?
どうして私を引っ張るんだ?
なんでそんなに必死で走ってるの?

意味が分からないよ

私のクラスでは有名だな。
桐崎 奏《きりざき そう》と言って金髪でチャラそうで虐めっ子とよく遊んでる。
絡みたくなかったのだ、こういう奴とは。
面倒臭くなる。

「お前は本当に我慢強いよな豆腐。」
「は?」
「聞こえなかった?」
「豆腐ってなに?豆腐って。」
「あれー?名前あってると思ったんだけどな?おっかしいわー。」
「私の名前は布都羽 涼夢《ふとう らむ》」
「おー!豆腐じゃなかったか!」
「うるさい。殴るよ。」
「ひやあー!!怖いわねー?!」
「気持ち悪い。オカマ。」

『とうふ』は私の仮名。
小説を書いているアプリで『とうふ』という名前でやっているからバレたのかと思い少し焦ってしまったがバレていないようでよかった。それにこの男なんだか彼奴らとは違い少し明るいかもしれない。
笑い方だって、私を見る目だって違う。

「じゃあお前は今日からとうふだな」
「名前勝手に変えんじゃない」
「宜しくな!とうふ!」
「だ か ら…」

「人の話を聞けぇぇぇぇ!!!!」

引っ張られるまま私は笑う。
これは誰かに見られたら駄目なストーリー

きっと、そう。
秘密のdiaryになりそう。
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