「しんちゃん!」は、りんが好きだ、大好きだ。
「……見たい…」

「なら…見なよ…」

手を…どかしなよ…。

「………ハハッ」

「しんちゃん…。
どうして…笑うの?」

「だって…アハハハハ…」

「ひどいよ、しんちゃん!!!
スッピンを見せてないのに、笑うなんて!!!」

「アハハハハ…」

笑うよ。

凜が両手をそれぞれコの形にして、ゴーグルをつけているみたいに僕を見るから。

「ハハ…アハハハハハハ…」

「しんちゃんになんか…一生私のスッピンを見せてあげない!!!」

怒ってる凜が僕の右側を通りすぎようとした時、僕は凜の右腕を掴み、引き寄せた。

「やっと…笑いが止まった……。
凜のすっぴんはやっぱり……どこもおかしくない」
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