「しんちゃん!」は、りんが好きだ、大好きだ。
〈プルルル、プルルル、プルルル…。〉

♪~♪♪~、♪~♪♪~、♪~♪♪~…。

「凜…」

凜を…見つけた。

僕は電話を切って、スマホをポケットにしまうと、凜の側に行き、かがむ。

「気持ち良さそうに寝てるな…」

凜は絵本コーナーの本棚にもたれかかって寝ていた。

良かった…。

それにしても…凜が寝てるなんて初めてだな…。

ふと凜の隣に積まれた10冊以上の絵本に気づく。

たくさん読みすぎて、疲れて寝たのか…。

寝ている凜に目をやる。

もう少し…寝かせておくか……。

………。

僕は寝ている凜に手を伸ばすと、右頬にかかっている髪をどける。

「ん……。
しんちゃん…」
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