「しんちゃん!」は、りんが好きだ、大好きだ。
凜を見ると…目が合った。

驚いてるな…。

「出ようか?」

僕が声を出さずにそう口を動かすと、凜が首を横に振る。

「出たくないのか?」

僕がまた声を出さずにそう口を動かすと、凜が首を縦に振る。

凜が声を出さずに口を動かす。

「大丈夫」

僕が握っている凜の左手に強く握られる。

「大丈夫」

凜がまた声を出さずにそう口を動かす。

大丈夫じゃないくせに…。

僕は首を縦に振ると、声を出さずに口を動かす。

「離すな」

絶対……。
< 20 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop