空からの涙
私達はもう、終わってしまったんだ。

「んなわけねぇよ。まだ終わってねぇよ。和の気持ちはそんな軽いもんじゃねぇ、って事ぐらい柚姫が一番わかってんじゃん?」

私の鼻水をすする音が少しだけ響いて消える。

「お前らは、まだ頑張れるんじゃねぇの……?」

止めれなかった涙は流れ続けていた。

智尋の前で泣いたのは何年ぶりだろう。

話を聞いていたら、なんか泣けてきたんだ。

智尋は何も言わずにあたしの頭を叩いた。

その大きな掌に私はまた………救われている。

また………救われていた。

私の恋はいろんな人が支えてくれている。

祐芽、亜依、智尋、悟くん…。

それと、舞ちゃん。

舞ちゃんには今更かもしれないけど、ちゃんと謝りたい。それと、お礼も言いたい。

私と友達でいてくれた。

私は自分が嫌われるのが嫌で、舞ちゃんを無視してしまった。

自分が逃げるために大切な友達を犠牲にした。

ごめんね……。

謝ってすむことじゃないんだよね。

けどね………、

私が和詞と出会ったのは舞ちゃんのお陰だと思ってる。

舞ちゃんが私と和詞を巡り会わせてくれた。

ありがとう。

本当に……ありがとう。

私は今、この幸せを大事にしたいと心から思う。

舞ちゃんのためにも、……………私、自分自身のためにも。



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