空からの涙
「…私もね、舞ちゃんに貰った手紙読んで和詩に会いたいって思った。」

俺は柚姫を1番に思ってる。

柚姫も俺を1番に考えてくれた。

「やっぱり私は、和詩がいないとヤだよ…。」

俺の指先に触れた温もり。

柚姫が俺の手を握っていた。

「俺も、柚姫と一緒に居たい。」

この思いだけは誰に邪魔をされても壊れない。

また繋がった俺達の愛。

一度は途切れたかとも思った。

でも簡単に諦めれる訳でもなくて…。

好きで好きで…どうしようもないんだ。

「でもね…和詩?」

「ん?」

「私、家には帰れないんだ……。」

……どういうこと?

「お母さんは和詩の所に行くなって言ったの。でも私は和詩と一緒に居たくてココに来た。」

柚姫は自分の服を少しだけめくった。

「柚姫!?」

「ココ………」

俯いている柚姫は腹の一部を指差す。

柚姫が指差した部分は、青く痣になっていた…。

「…最近お母さんに反抗した事があるの。その時に……。」

小さく笑った柚姫。

その笑顔を見ていると俺は辛い。

…よく探せば柚姫のカラダには痣や赤く腫れている部分があった。

その傷と柚姫を交互に見ている俺は、柚姫みたいに強くない。

「…何でもっと……」

「和詩…?」

俺は柚姫の体を引き寄せた。

「何でもっと早く言わないんだよ…」

何でもっと早く、俺は気が付いてやれなかったんだ……。

「心配、かけたくなかった……。」


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