空からの涙
時は進み、ケーキも食べて皆でトランプをやった。

「、、、あがりぃ♪やったぁ」

最後に残ったのは、俺。

祐芽が俺の手札からキングを持っていくから、俺に残ったのはジョーカー。

「罰ゲーム俺かよぉ!」

自分からトランプ負けたら罰ゲームで買い出しって言ったけど………まさか俺とは…

「和詩、いってらっしゃぁい。」

俺と最後まで争った祐芽はムカつくぐらいの笑顔で手を振ってきた。

「しゃーねぇなぁ……」

玄関まで行って靴を履いる俺。

「行ってくるわ」

皆のお見送りで外に出たら……

「…和君ッ……」

柚姫の声が聞こえて止まった。

「どうした?」

「私も一緒に行っていい?」

「いいけど……」

負けたのは俺だし、柚姫が来る必要もない。

返事をすると柚姫は俺の指先をつかんだ。

「私も…ね…?こうやって和君の彼女らしく、街を歩きたい。」

柚姫の手から伝わる温もりは暖かくて咲いたばかりの向日葵のよう。

「そ……だな」

フッと笑いが込み上げた。

「そういえば私、和君に誕生日プレゼントあげてないねッ。」

笑った顔は…太陽みたいな輝きを持っている。

「何かほしい物は?」

1人で話を進める柚姫も大好きなんだ。

「…じゃ……さっ。」

じ……っと俺の顔を見る柚姫は無邪気な子供。

「和詩…って呼んでよ。」

………柚姫の全てが愛しい。

「…和………詩。」

「ん?」

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