あの夏の日の花火
「あれ?天音さん残業?」
コピー機の前で次にセットする書類を用意する私に同期が声をかけてくる。
軽く毛先を巻いてハーフアップしたセミロングの彼女は右手にオフホワイトのバッグを掛け、化粧直しもOK、帰り支度バッチリな様子だ。
渡部久美。
私とは同期だけれど部署が違う。
私の所属するのは商品企画部。彼女の営業三課は同じフロアのお隣同士。
「う、ん。渡部さんは、上がり?」
「だって今日は花火大会でしょ。早く終わらせたの」
「……そっか」
紙を吐き出すのを止めたコピー機から書類を取り出して次をセットしながら、私は内心で苦笑した。
心の中でこっそり。
花火大会じゃなくても大抵定時上がりな気がするけど。
なんてことを思う。
それにしてもどうして彼女がここにいるんだろう?
コピー機の前で次にセットする書類を用意する私に同期が声をかけてくる。
軽く毛先を巻いてハーフアップしたセミロングの彼女は右手にオフホワイトのバッグを掛け、化粧直しもOK、帰り支度バッチリな様子だ。
渡部久美。
私とは同期だけれど部署が違う。
私の所属するのは商品企画部。彼女の営業三課は同じフロアのお隣同士。
「う、ん。渡部さんは、上がり?」
「だって今日は花火大会でしょ。早く終わらせたの」
「……そっか」
紙を吐き出すのを止めたコピー機から書類を取り出して次をセットしながら、私は内心で苦笑した。
心の中でこっそり。
花火大会じゃなくても大抵定時上がりな気がするけど。
なんてことを思う。
それにしてもどうして彼女がここにいるんだろう?